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若林運送株式会社 ホームニュース一覧〜九州出荷に対応せよ〜 (品川倉庫運輸・九州営業所)
2015.09.08
東日本大震災の余韻が残る2011年秋頃。関連会社の品川倉庫運輸のお客様であるS社様の担当部長より、「もしかしたら九州から出荷することになるかも知れない」と話があった。九州に基盤のない我々にとっては、今までなら関心の対象外の話。しかし、日本中で「サプライチェーン」の見直しが話題となり、生産を分散する重要性が議論されていた。そこで、実現性は低いかも知れないけれども、下見だけしておこう、と九州に出張。社長と若手ドライバーの二人で出荷基地を偵察。
それから半年後の2012年8月終わり。にわかに九州のプロジェクトが盛り上がって来た。「やる気あるなら、計画を出してみて」と担当の方よりお声が掛かった。すぐに社内で打ち合わせ。車両は何台持っていけるか?車庫をどうしよう。車庫がないから、ドライバーもいない。ないものだらけ。しかも準備期間はたったの3ヶ月。急遽、再び九州に飛び、トラックドライバー甲子園の仲間の紹介をもらい、他の運送会社の車庫を間借りする承諾を取り付け、9月半ばに計画を提出した。「ヨシ、じゃ、品川さん進めて下さい」ついにゴーサインを頂いた。
そこから九州営業所のドラマが始まった。新営業所長にメタノール輸送に最も長く携わって来たベテランドライバーが「俺しかいないでしょ」と名乗り出てくれた。このプロジェクトがうまくスタートできた大きな一歩だった。長年連れ添った奥様とも話をし、そして飼っている猫ちゃんたちも連れ、転勤した。
新所長とドライバー採用活動を始めた。商店街の一角にある貸会議室で面接。来てくれた10名の応募者の中から、2名が立ち上げメンバーに来てもらうことになった。社名も聞いたことない。事務所もない。タンクローリーもない。そんな中会社を信用し、仲間に加わってくれた。 慣れない飛行機に乗り、東京で約2ヶ月の教育が始まった。入社2年、メタノール輸送も2年のメンバーも指導した。指導をするのも初めて、自分の仕事もまだ覚えて日が浅い。それでも懸命に指導した。
そして、いよいよ2013年1月中旬。メタノールを運んだ船が門司の出荷基地に入船。ドキドキしながらも、注文に期待の胸を膨らませた。1件注文が入った。3人で行きたいところだが、助手席には一人しか乗れず、気持ちを抑えて所長は車庫で待機。無事初回納品が完了した。帰庫した時は、自然と三人から笑みがこぼれた。